僕がカラリストを選んだ理由~episode Ⅲ~
昨日今日と、一段と寒さが厳しくなっているなか、世の受験生たちはセンター試験に臨んでいます。17年前の僕も彼らと同じく、大学受験生でした。
普通であれば、美容師になりたい高校生は、卒業後の進路を専門学校に定め、2年間を過ごしたのち、国家試験を経て、晴れて美容室へ就職することになります。
高校生になったばかりの美容師を夢見る僕も、当然のようにその道を歩むつもりでいました。
そんな僕の進路を変更させ、大学進学へと導くことになる言葉が、2つありました。
今回のepisode Ⅲは、その辺の話になります。
一つは、父に言われた言葉です。
高校2年の終わり、進路の話をしていた時でした。
「美容師は大いに結構。だけど、美容師になってどうしたいの?何がしたいんだい?」
なるほど、確かに。当時の僕は、美容師になることしか考えていなかったわけで、その後の人生なんて想像もしてなかったわけで、そんな僕にはちょっと引っかかる言葉でした。
免許を取って、美容室で働けばもう美容師。でも、そこで何がしたい?どんな美容師になりたい?
自分に何度も問いかけるうちに、一つの答えが自分の中に生まれてきました。それが、「自分の店を持ちたい」ということでした。
そもそも地元に一人でお店を出し、美容師をしているその人に憧れて美容師を志し、あんな空間で仕事ができたらいいなーと考えていた僕です。
美容師になって店を持つ、それをどんどん大きくして、そこで働くスタッフが幸せになるような店をたくさん作る。そのためにはどうしたらいい?経営のこととか勉強しといたほうがいいかも。
そう考えるようになってからは、地元の美容師さんや身近な人達にに相談します。
「技術を学ぶことはそりゃ早いほうがいいよ。でも今勉強できる環境に行けるなら、勉強してからでも遅くはないと思うなぁ。」
「経営工学っていうのがある。企業とかの生産性を挙げるために事象を数理的に解析する学問ってところだけど、きっと面白いと思うよ。」
なるほどなるほど。
次第に、大学進学への興味が湧いてきました。
もう一つが、高校の友人に言われた言葉です。
「頭でっかちな美容師にはなってほしくないな。」
ファミレスかどこかで、ダラダラと将来の話をしていた時だったと思います。
そうだよなー、そうそう。美容が好き、その仕事が好き!っていう風にはなりたいけど、それしかできないみたいな偏った感じにはなりたくないなー。
色々なことを幅広く知っていて、いろいろな経験もしていて、美容師である前にまずは人として、たくましく寛大でいたい。目指す人間像みたいなものも当時は考えたりしてました。
そうなると、大学にはいろいろな人が学びに来ています。そこではいろいろな人に出会えていろいろな価値観に触れられるし、勉強だけじゃなくいろいろな経験ができるから、4年間廻り道になったとしても自分のプラスになるんじゃないかなぁ。しかも若いうちにしか感じれないこととかもあるはずだし。という風に変わっていったのです。
はい、僕、大学に行きます。どうせなら、総合大学に。いろいろな人に出会えるところがいい。ちょっと地方で一人暮らしもしてみたい。お金は抑えられるから国立だな。経営工学について学べるところ。というわけで、茨城にある筑波大学に行くことを決めます。
部活が終わった高3の夏から本格的に始まった受験勉強は、率直に言って、楽しかったです。予備校も行かないで、自分のペースで、友達と教え合ったりしながら、第一志望の筑波に受かるようにだけ勉強していた感じです。
そして、無事に合格。晴れて大学生になりました。
実家を離れての4年間、肝心の勉学は、正直だらけました。人間としても、結構だらけました。
でも、貴重な経験や人との出会いがたくさんありました。教育実習もしました。社会心理学も、マネジメントについても、色彩学についても学びました。旅行もたくさんしました。
大学での4年間は、僕にとって確かに必要な時間でした。
なぜなら、そこで出逢った仲間たちは、一生付き合っていくだろう人たちだし、彼らからいろいろなことを学びました。そして今もなお各分野で生きている彼らから、多くの刺激をもらっています。
そして何より、大学時代に学んだことが、その後の、美容師となる、そしてカラリストとなる、僕の個性となったから。
最後に、この4年間から得た教訓を。
それは、世の中、無駄なことなんて何一つない、ということ。
僕は欲張りだから、チャンスや経験を全部プラスに吸収して、自分のものにしてしまえ。
そんな感じで、今までやってきましたし、これからもやっていくことだろうと思います。
話を当時に戻して。
さぁさぁ、大学も無事に卒業し、専門学校へ進学、いよいよ本格的に美容師になるべく動き出します。
専門学校、そしてimaiiへ入社し、カラリストとしての日々が始まる・・・。
その辺については、また日を改めて。
imaii colorist 髙橋拓也
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